瓦の起原は明らかではありません。しかし、中国で出土した現存する最古の瓦は、約3000年前のものといわれています。日本における瓦の歴史は、6世紀まで遡ります。日本で最も古い歴史書『日本書紀』には、「崇峻元年(588年)、百済国から仏舎利や僧と共に四人の瓦博士が来日し法興寺(飛鳥寺)を造営した」と記されています。その時はじめて、瓦を成型する技術、高温で焼き上げる技術、瓦を規則正しく葺く技術が日本に伝わりました。昭和30年代に、この元興寺の解体修理が行なわれましたが、なんと創建時の瓦が170枚も、今も現役として使われていました。東大寺、法隆寺、薬師寺といった国宝の名刹には、千年以上も「用の美」として使われ続けてきた、今も現役の瓦を見ることができます。