有松鳴海絞は、江戸時代の初めから現在まで、400年以上の伝統が絶えることなく続いています。絞り染めの伝統的技術がこれだけ蓄積されている所は、全国でも有松ただ一ヶ所。そのため有松鳴海絞は、重要無形文化財記録保存指定や伝統的工芸品産業指定を受けています。絞り染めは、意匠(デザイン)に合せ、糸で括って防染(染料がしみ込まないようにする)をして染めることにより、糸を抜いた時に染まらない部分が白く残り、様々な模様をつくりだす染色です。糸の括り方で何種類もの模様をつくることができます。
有松鳴海絞は、糸を括る技法が100種類にも及び、その数は世界一といわれています。ぜひ一度、有松鳴海絞を手にとって見てください。同じモノが2つと存在しないことに気づくはずです。それは、絞り染めの工程が、昔も今も、まったくの手作業であるためです。さり気なく、美しい。毎日の暮らしの中で、重要無形文化財「有松鳴海絞」を身に着ける贅沢を、お楽しみください。