横島:肥料を与えない。農薬を蒔かない。水をあげない。草は伸び放題。
それが私の栽培法です。こうして野菜を育てると、野菜は“育ちたいスピードで育ち、実を付けたいだけ実を付けます”。
しかも人間と同じように免疫力がありますから、虫もつきません。
自然のままに、野菜に無理はさせない栽培法です。
ひとつ、このオクラを食べてみてください。
家康:甘い。これがオクラか?
横島:これがオクラ本来の味です。人は余りにも野菜を過保護に育てています。
私は、野菜に水も与えません。すると、野菜は自ら“生きよう!”と努力します。
そこに、本来、野菜が持っている生命力が宿るわけです。
家康:なるほどのぅ。それは人間も同じじゃ。余りにも人の手を加えると、甘えたり、頼ってしまい人間としては自立ができん。
わしは3歳の時に母と別れ、6歳から19歳まで人質生活を送っておった。
何もかも一人で行なった。それが、今となっては大きな財産になっておる。
野菜ソムリエとして、そちの夢を聞かせてくれぬか。
横島:将来はこの畑を開放し、「野菜狩り」のように、好きなだけ摘んで、その場で野菜が食べられる農園を造りたいですね。
また、子ども達には「畑の塾」を考えています。子ども達自身が野菜を育て、
自分が育てた野菜をプロの料理人が調理し、皆で楽しく食事をする。
その中から、いつか農業を志す若者が増えれば、と思っています。(つづく)